更新日:2024年9月7日
高級マンションや高級賃貸レジデンスやには、マンションの顔ともいえるコンシェルジュがいます。日本でもその数は増加傾向にあり、それに伴ってコンシェルジュの需要も増えてきました。
一方、これまでコンシェルジュのいる物件があまり多くなかったことから、仕事の内容や対応スキルなどについて、広く知られていないことも事実です。この記事では、コンシェルジュに向いている人の特徴や、コンシェルジュの仕事を通して身に付くスキルについて解説します。
目次
高級賃貸レジデンスのコンシェルジュはどんな役割?
コンシェルジュは質の高いサービスを提供し、居住者様の快適な生活をサポートするお仕事です。ホテルのフロントなどの業務に近く、24時間体制で対応していることも珍しくありません。
ホテルを思わせる丁寧で行きとどいた対応で、マンションのブランド価値をより高めていくこと。それがフロントコンシェルジュの役割です。
コンシェルジュの主な仕事内容
一口に「ホテルのフロントのようなもの」といってもその業務はホテルによって異なります。同様に、実際のコンシェルジュの仕事内容もマンションによって異なるうえ、より多岐にわたるものと考えましょう。ここでは、コンシェルジュの仕事内容で代表的なものを紹介します。
タクシー・ハイヤーの手配
タクシーやハイヤーは住人にとって大切なお客様が利用するケースもあるため、正確な手配が求められます。希望日時、利用人数、車種、色などをうかがい、住人の希望に沿うよう契約業者に手配します。朝など利用者が重なる時間帯には、スムーズな乗車を考慮することも大切です。
共用施設の予約受付
高級分譲マンションや高級賃貸レジデンスには、住人が共用で使える施設がある場合が多く、利用においては予約受付が必要です。多目的ルーム、ジム、ゲストルームなど、どこをどの住人がどの時間に利用するのか、正確に手配します。
近年では住人がネットで直接予約できるシステムもあるものの、ネット予約を利用しない住人もいるため、双方の予約状況を把握しておく必要があります。また、利用者や利用目的などプライバシーにかかわることは他言無用です。
来訪者の対応
住人から来客の予定を伝えられていた場合は、コンシェルジュが来客時に居住エリアの入口を開閉します。予定がない来客については、住人との取り次ぎを行うこともあります。セールスや住人が了承しない訪問者の入館は断るのが一般的です。
その他
コンシェルジュが担う業務内容は施設によって異なります。基本的には専門的な知識が必要になる業務は提携業者との取り次ぎになるのが一般的です。特に以下のサービスなどでは、対応の方法や可否が異なります。
・デリバリー、ケータリングサービス
・切手・はがきの販売
・各種レンタルサービス
・伝言お預かり
・荷物の一時預かり
・留守中の部屋の換気、ペットの世話
コンシェルジュがいるのはどんなマンション?
コンシェルジュがいるのは、いわゆる高級マンションや高級レジデンスに限られます。一般的なマンションやレジデンスにいる管理人とは意味合いが少し異なり、住人にとって便利なサービスを提供する役割を担っています。
コンシェルジュサービスの費用は管理費に含まれており、高級志向の住人にとってはステータスともなります。一方、身の回りのことはすべて自分でやりたい人、住居にそれほどこだわりがない人にとっては、無駄な管理費と捉えられることも少なくありません。
コンシェルジュに向いているのはどんな人?
コンシェルジュは特別な資格がなくても従事できる仕事です。一方で、特徴的な仕事内容も多く、人によって向き不向きがあります。ここでは、コンシェルジュに向いている人の特徴を紹介します。
秘密が守れる
コンシェルジュには守秘義務があります。住人と会話をする機会が多いコンシェルジュは、住人のプライベートな情報を知るケースも少なくありません。住人は信頼して話してくれているのですから、情報は自分の胸の内にとどめておきましょう。
誰がどの部屋に住んでいるといったことはもちろん、些細な噂話なども外に漏らすのは厳禁です。社外の友人や家族、同僚同士でも話してはいけません。一方、業務上必要なことは共有し、住人の安心と安全に努めましょう。
緊急時も落ち着いた対応ができる
緊急時の対応もコンシェルジュの仕事です。たとえば、急に体調が悪くなったため救急車を呼んでほしいといった場合でも、慌てず冷静な対応が求められます。理不尽なクレームや怒りに対しても笑顔で接し、相手の気持ちを落ち着かせるよう、いつでも平常心で仕事に臨むことが大切です。
仕事をしていれば失敗したり、クレームを受けたりすることもあります。しかし、それは他の住人には関係のないことです。二度と繰り返さないように反省はしっかりして、気持ちを切り替えて他の業務にあたりましょう。
人と話すことが好き・得意
住人の中には世間話が好きな人もいます。仕事をしているときは対応が疎かになりがちですが、そっけない態度や不愛想な表情は住人に不快感を与え、クレームのもとになることもあります。他のコンシェルジュや管理会社の信頼問題にも影響するため、仕事中であっても真摯に住人と向き合いましょう。
困っている人や要望を言い出せずにいる人に対して自ら声をかけることも大切です。適切にコミュニケーションをとって、住人と良好な関係性を築きましょう。
細かい心配りができる
コンシェルジュの業務内容はある程度決まっています。しかしそれは「最低限ここまでできれば問題ない」というものです。一方で、コンシェルジュとして、より高いスキルを求める住人も少なくありません。住人の要望に応えるには、目の前にいる人に対して状況に合わせた対応が必要です。
たとえば「こんなことを求めているのかな」と先回りして声をかけたり、ひとりでいるときに話しかけてほしい人とそうではない人を見極めたりすることも必要な心配りです。
気分転換が上手にできる
コンシェルジュは、常に住人のことを優先して考えることが求められます。いつも笑顔で接し、ときには理不尽なクレームを受けることもあるため、知らず知らずのうちにストレスがたまってしまうことも事実です。
ストレスをため込んだままではいい仕事はできません。プライベートや休憩時間を使ってうまくストレスを発散することが大切です。コンシェルジュの仕事を楽しく続けるためにも、自分にとってのストレス解消法を心得ておきましょう。
コンシェルジュで身に付くスキル
コンシェルジュは、さまざまな住人の要望をうかがい、住人が心地よくその施設に住めるよう心を配る仕事です。ある程度経験を積むことで、おのずと質の高い接客スキルや対応能力が身に付きます。
相手にわかりやすく物事を伝えるための仕草や丁寧な言葉遣いなどは、転職時にも大いに役立ちます。たとえば、企業の受付やホテル業などではコンシェルジュとしての経験を活かして活躍することも可能です。
また、語学力を活かして外国人向け高級マンション等へのキャリアアップという道もあります。
まとめ
コンシェルジュは、居住者が快適に生活できるようサポートをするやりがいのある仕事です。また、富裕層に対するマナーを研修段階で丁寧に教えてもらえるケースもあるので、レベルの高い接客法を学べます。
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よくある質問(Q&A)
Q:マンションコンシェルジュの勤務時間は?
フロントの営業時間に応じて勤務します。出勤や退勤の時間は、配属物件により異なります。フロントが8時間以上営業している物件では、早番・遅番または早番・中番・遅番のシフト制が基本です。実働4時間~7時間くらいの間でシフトが組まれることが多いため、ご自身のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
Q:いつも一人勤務なのでしょうか?
マンションの規模は様々です。200世帯程度で常時1名のコンシェルジュを配置することが多く、多い物件で7~8名が常駐しています。人数が少ない配属先もありますが、困った時は内線で管理室やコールセンター等に相談できるような体制を整えていることが多く、一人勤務でも安心して勤務できます。